会長メッセージ

代表取締役社長 二木 浩三 代表取締役社長 二木 浩三 感性マーケティングを「外向き」へ転換 本質回帰したBESSは“オアシス業”の道へ 感性マーケティングを「外向き」へ転換 本質回帰したBESSは“オアシス業”の道へ

BESSが培ってきた
「感性マーケティング」の価値が
ますます高まる時代に

 2024年3月期は、近年の業績低迷の一因であったと認識している経営管理体制の変更を実施し、経営基盤の強化に取り組んだ1年となりました。事業面での上向きの兆しも見え始めたこのタイミングで、業績回復の実現及び今後の成長を見据え、新たな経営体制へ移行し、私自身は会長として、戦略面からサポートする立場になることとしました。人柄・実力ともに信じて託せる経営幹部メンバーが揃ったからこその決断です。

 創業以来、「ポスト情報、意識の時代」の認識のもと、人の心に重きをおいた「感性マーケティング」によるメイク・マーケットを推進してきました。ともすれば「内向きの区別化戦略」とも言える「守るべきものを頑なに守る」姿勢で、BESSが培ってきた「感性マーケティング」の価値は、AIの進化・ロボット化に代表されるような情報化が加速する時代に、より高まっていくとの感覚を持っています。一般常識とは異なる「曲がり真っすぐ」に共感するファンに支えられ、累計受注は2万棟を超え、着実に認知も広がり、次なる階段を上がろうとしていた最中、コロナ禍となり、これまでの強みが弱みへと一転、業績低迷を招く事態となりました。

 一方、そのような苦しい状況に身を置かれたことにより、自分たちの存在意義を再認識する機会を得られ、しっかりとBESSの本質を見つめ直すことができたとも思います。

弱みを無害化し、
それぞれの強みを活かす、
外向きの組織へ

 本質への「原点回帰」で軌道修正した今、「内向き」重視から、協業による外とのつながりを強める「外向き」へと事業戦略の転換を図ります。アールシーコア/BESSの根底にある、「共感路線の感性マーケティング」「チャレンジマーケティングと健全経営」「未来を創る楽観主義」など、DNAはしっかり引き継ぎつつ、BESSブランドを広く外向きに開いていく、これは我々にとっては大きな転換です。

 それには、自分たち以外の価値観も包含する懐の深さ、度量が不可欠である一方、自分たちの個性が、相手に合わせて簡単に揺らぐようであってはなりません。情報優位の価値観とは対極に位置する、我々の「感性マーケティング」の価値観が揺らぐことなく、社会の役に立てるようBESSを活用いただくには、むしろ、個性をさらに強めていく必要があります。

 当社スタッフの人柄の良さは強みのひとつですが、力が物を言う資本主義一辺倒の世の中では、自己満足に終わってしまえば弱みにもなります。そこで、それぞれが弱みと正対し、組織全体として「弱みを無害化し、それぞれの強みを利益化」し得るよう、組織をステージアップさせていくことが喫緊の課題です。

 ピーター・F・ドラッカーも「組織の目的は人の強みを生産に結びつけ、人の弱みを中和することにある」と定義づけていますが、私は「強みと弱みを相殺させて終わりではなく、弱みを無害化し、各人の強みを組織として機能させれば、全体として残る強みの総和は相当なものになる」と捉えており、これまでも事業活動を通じて、実践してきたつもりです。

「個性」の掛け合わせで
新しい価値を生む

 「外向き」による協業においても、それぞれ良い面もあれば、悪い面もあるけれど、互いにカバーし合い、互いに喜ぶことであればビジネスが成り立つ、それは、それぞれの個性が相手の価値になる、もしくは、個性の掛け合わせで互いに新しい価値を生み出せるという発想です。BESS独自の価値観が個性であり、相手にとっての価値となります。

 かつては互いを思いやり、人知れず助け合いをするのが当たり前でした。本来、損得や自己犠牲とは程遠い、純粋な気持ちから生まれる自然体の行動であり、その一片が、LOGWAYコーチャーたちの活動として体現された、BESSに関心を寄せる人たちの価値観だと捉えています。だからこそ、私はLOGWAY(BESS単独展示場)を「善人性誘発装置」と呼ぶわけです。

 論理を突き詰めれば、当然、AIに敵うことはありません。矛盾から目を背けることなく、むしろ正対するところに「感性マーケティング」の面白さの本質があります。論理・AIの世界はますます複雑化しています。複雑であることは、表面的なものにこだわっている人にとっては好都合であり、複雑にするほどAIの価値が優位な世界になるわけです。一方、複雑なものをシンプルにするのは、シンプルなものを複雑にする何十倍、何百倍もエネルギーが必要ですが、それを追求し続けているのがBESSの感性マーケティングなのです。

株主の皆様へのメッセージ

 本質を後世に継承しつつ、「内向き」から「外向き」へ舵を切るタイミングとなりました。これに際して、「感性マーケティング」と称する我々の素性、個性を明らかにするという意味で、「ダークな人ほどクリーンになれる(ダーク本)」という小冊子を作りました。ここに書いてあることをビジネスの形にしたものが「BESS」というブランドになっています。この中で、「言葉を信じるな」とも書きました。単なる言葉としての情報ではなく、ハートが伝わって初めて共感をなし得るからです。されど、この中の言葉に反応した人がいれば、その人の中にその価値観があったということを意味しており、その現出のきっかけになればと思います。

 幸いにして、BESSを面白がり、BESSの価値観を共有したいという方たち、企業、自治体が増えてきています。行き過ぎの資本主義・競争社会の中に身を置き続けることに違和感や疲れを感じている人は多く、そうした現代人が潜在的に感じている心の渇きに対して、BESSの性格、価値観を通じて、“心のオアシス”を提供していく、それが“オアシス業”です。

 誰もが自分の中に“オアシス”の要素を持っています。人間には人に楽しんでもらいたい、喜んでほしいという本能もあるわけで、それを遠慮することなく出せること、それを求める価値観に共感・協働する仲間が広がりつつあります。そうした仲間たちと、BtoB、BtoGの領域でも、「BESSがいなければ、これはできなかった!」と言われるような“オアシス”の現実化を大きく広げていきたい、それが、BESSが目指す未来です。

 想いを語るだけでなく、業績となって目に見える形で現れてくれば、その説得力も増すと承服しています。想いを具現化すべく邁進してまいりますので、今後とも変わらぬご支援をよろしくお願いいたします。

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社長メッセージ

代表取締役社長 壽松木 康晴 代表取締役社長 壽松木 康晴 BESSの本質をしっかり継承し“オアシス業”で未来を創る BESSの本質をしっかり継承し“オアシス業”で未来を創る

2024年3月期の振り返り

 2024年3月期は、アールシーコア/BESSらしさに立ち戻り、本来の道をゆく「原点回帰」をテーマに、事業再建を進めた1年でした。

 業績面については、上期はなかなか集客が戻らず、11月に通期業績予想の修正を発表するに至りましたが、下期は、コロナ禍前の9割まで集客が回復し、受注も尻上がりに回復を見せており、事業環境の好転を結果に繋げられつつあると感じています。

 ウッドショック(木材原価高騰)等に伴い実施した商品価格改定は、一定程度の利益率回復に寄与した一方、受注大幅減の一因となっていたこともあり、商品ラインナップの価格帯を広げる三角WONDER「間貫まぬけのハコ」の販売を10月より開始したところ、モデル棟が全国で1棟であったにもかかわらず、半年で50棟超の受注となり、順調な滑り出しとなりました。3月には2棟目がオープン、向こう半年のうちにモデル棟が10棟程度になる計画で、ファンの皆さまに直接触れていただける機会が増えるに伴い、さらに受注ペースを加速できるものとみています。

BESSの目指す
新しい未来“オアシス業”

 この1年、BESSのお客さんだけでなく、企業や自治体の方とのお付き合いの中で様々な方とお話する機会に恵まれ、当社の企業価値、BESSの事業価値がどのように見られ、評価されているのか、客観的なご意見を改めて伺うことができました。そうした機会を通じて、我々が提唱してきたブランドの考え方、コンセプトをきちんと受け止めてくださっている方、「BESSに注目していた、期待していた」という方がとても多いことを知り、我々が考える以上に「BESS」というブランドが大きく成長していたということに気づかされた次第です。

 我々が提供してきたのは、住宅というハードではありますが、世の中に伝えてきたこと、あるいは、森林保全など事業に直接的に結びつけてはいない活動を含め、様々なところにBESSブランドの考え方は浸透しており、そうして培われたソフトの部分は、これまで以上に世の中に役に立たせることができるとの自信になりつつあります。

 創業以来40年、「内向き」とも言える展開の中で実践してきたからこそ、しっかりとブランドの本質を守り、育てることができたことも確かです。しかし、皆様との対話から、「BESSに期待を持っている多くの方に向けて、もっと様々な形で応えていくことができるのではないか」と改めて考え直し、今後はBESSブランドを「外向き」に開き、「今の世の中で心の渇きを潤すこと」を提供したいとの想いに辿り着きました。それが“オアシス業”という、新たな道を拓く、その源にある考え方であり、BESSの目指す新しい未来です。

 今後も新築戸建事業が柱であることは変わりませんが、BESSのブランド力を核に、他の企業や自治体など、共感度の高い仲間とのコラボレーションによって、世の中に“こころのオアシス”を創り出す“オアシス業”を進めていきます。世の中の様々なシーンでBESSを役立たせながら、そのブランド価値をさらに向上させ、新築戸建事業との相乗効果によって事業領域の拡大・利益貢献を形にしていく、それが今というタイミングで新社長に就任した私に課せられた使命だと捉えています。

「ワンダーデバイス」を中心に
BESS事業の回復を加速

 その第一歩として、まずはBESS新築戸建事業を立て直し、再び成長軌道へと乗せる取り組みを強化します。オウンドメディアによるネットでの発信力を高め、新たなファン層の開拓やファン度の向上に繋がる仕掛けづくりも進めています。

 また、20年にわたりロングセラーを続け、BESSファンからは愛着を持って「ワンデバ」と呼ばれる主力商品「ワンダーデバイス」を大きくリニューアルしました。住み方、予算や敷地への対応力を高めた商品に変更し、より使いやすく、感性にマッチさせやすい商品となっています。

 この「ワンダーデバイス」と「間貫けのハコ」を中心に、ファン層拡大を加速させながら、感性マーケティングと農耕型営業の実践を通じて、受注棟数水準を上げていきたいと考えています。

ふもと開発」も、
より本格化のフェーズへ

 従前より進めてきた「梺開発」も一層の本格化を目指します。

 BESSが提唱する梺開発は宅地開発といえども、利便性や将来の値上がり期待といった一般的な価値基準とは一線を画しています。自然に近い環境の中、BESSの家が建ち、集落となり、仲間が集うことで、BESSユーザーにとって非常に価値ある場所になるもので、まったくのブルーオーシャンの世界です。

 昨年、長野県小諸市と提携した当社の梺開発事業は、移住定住促進も含め、地方自治体が抱えている様々な社会課題の解決に繋がる好事例として、他からも注目を集めています。今後も自社開発のみにこだわらず、地方自治体との提携、他の不動産事業者とのタイアップなど、様々な取り組みを試していきたいと考えています。

事業領域を拡充した“オアシス業”で
BESSブランドのさらなる価値向上へ

 従来のBESS事業の周辺分野で事業領域の拡大を進める“オアシス業”の一環として、法人向け事業施設の分野の取り組みを本格化します。CLTログを用いた防火対応の集合住宅、「木育」で関心の高まっている木造の保育園・幼稚園施設、リゾート施設の宿泊棟の建築等、近年、多様な方面からお声がけいただいているニーズにしっかり対応していきます。

 また、この4月に、時間が経つほどに味わいが増す「経年愉化けいねんゆか」をうたうBESSの中古住宅を取り次ぐ「歳時さいじ住宅事業」の全国展開を始めました。BESSの価値観に共感いただける方にBESSの家を引き継ぐサイクルを作り出すことで、経年愉化の価値や魅力を立証する取り組みです。

 こうした今後我々が手掛けていく事業すべてが「オアシスづくり」であり、これらを総称して“オアシス業”と呼んでいます。これは、皆様との対話の中から、自らの存在意義を再認識した、BESSが目指す姿です。足下では、お声がけいただいた先との取り組みを優先していますが、「自らマーケットを創っていく」というBESSイズムにのっとり、周辺事業もメイク・マーケットによって事業の柱へと育てていきたいと考えています。

 そして、これからも“オアシス業”のど真ん中にあり続けるBESS新築戸建事業にすべてが繋がり、相乗効果でBESSファンの拡大に繋がっていく、そうしたエコシステムを生み出すことで、新たなる成長の軌跡を描いていきます。

株主の皆様へのメッセージ

 株主の皆様におかれましては、業績が低迷する中でも変わらずご支援いただいていることにお礼申しあげます。この1年、経営再建に携わりながら感じたことは、ちょっとやそっとの外部環境の変化では簡単に赤字にならない会社にしなくてはならない、利益体質を強めなければならないということです。

 創業者から引き継ぐ新たな体制でも、当社の創業の精神やメイク・マーケットの姿勢という本質はしっかり継承していきます。今後は、BESSブランドを外に広く伝えながら価値をさらに高め、業績回復、そして新たな成長へと、株主の皆様、BESSファンの皆様、そして社会の期待にしっかり応えていけるよう進んでまいりますので、これまで以上に応援いただきたく、よろしくお願いいたします。

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TOPICS

2024年の様々な取り組み、活動を紹介します。

  • 新しく加わったフェイスデザイン「NAKED(ネイキッド)」 「まぬけは愛だ。」スペシャルサイトTOPページ TOPICS 1 主力商品の「WONDER DEVICE」
    デビュー20周年
    新しいフェイスデザインも加えて、
    大幅リニューアル
    新しく加わったフェイスデザイン「NAKED(ネイキッド)」
    新しく加わったフェイスデザイン「NAKED(ネイキッド)」

     主力商品であるWONDER DEVICE(ワンダーデバイス)は、2004年1月に「家とは暮らしに新しい価値を生み出す装置」として世に出した商品です。そこから20年、マイナーチェンジを重ねながらも大きな商品デザインは変わることなく約7,000組のご家族に選ばれてきました。
     そして、2024年4月、20年経て培ってきたワンダーデバイスの個性をあらためて深掘りした企画プランにリニューアルしました。“ログの血統”を感じさせる本物の木の家としての味わい。空間だけでなく、そこで生まれる楽しい時間、さらに年月を経た先の変化を見据えた“時間設計”という概念。上へ、外へ、先へと広がる大きな開放感と人のつながりを生む “企画型”の住宅。こうした20年前から大事にしている価値観をあらためて織り込みました。
     このWONDER発売20周年を記念し、2024年4月から「WONDERフェスタ」を開催しています。新たに加わったフェイスデザイン「NAKED(ネイキッド)」により3つの顔になった24年版ワンダーデバイスのカタログをはじめ、新デザインを体験できるVRコーナーや20周年ロゴ入りグッズのプレゼントなど、全国すべてのLOGWAYにモデルハウスのあるワンダーデバイスを中心に、LOGWAYを盛り上げています。

    大きく暮らせるスケルトン空間 大きく暮らせるスケルトン空間
    出自のログを受け継ぐラフな室内 出自のログを受け継ぐラフな室内
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  • 無垢材をふんだんに使用するBESSの家 無垢材をふんだんに使用するBESSの家 TOPICS 2 BESSの家の経年価値を
    自社査定する中古仲介事業
    「歳時住宅事業」を全国でスタート
    無垢材をふんだんに使用するBESSの家
    無垢材をふんだんに使用するBESSの家

     BESSでは「歳時住宅事業」を2024年4月より全国展開を始めました。一般に中古住宅の査定では、建築年数の経過がマイナス評価となりますが、無垢材を多用した住宅で適切にメンテナンスが施されていれば、ビンテージ家具のような木の味わいや風格が生まれます。経年による価値について着目し、BESSの家の中古価値を独自の査定基準で評価し、その価値の分かる方に引き継ぐ仲介システムを構築しました。
    BESSには創業以来39年間で、引渡し済みの建物が約22,000棟あります。何らかの事情で家を手放すことになったユーザーに、ワンストップでBESSが査定し、木の価値を理解してくれる次のユーザーに引き継ぐため、大きな安心とメリットが提供できます。また、新築を検討される方にとっても、手放す際の安心を提供することができます。
     木は伐採後、時間が経過するほど強度が増していきます。BESSでは、愛着の持てる家ならば長く使う事ができると考え、歳月を経ても飽きがこないベーシックデザインの企画型住宅を提案しています。愛着の持てる家を作り、適切にメンテナンスを行い、長く使う。「BESSの歳時住宅事業」は、住宅の持続可能性を具現化しています。

    経年で外観の味わいが増すログハウス 経年で外観の味わいが増すログハウス
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  • 防火地域の3階建てCLTログハウス(東京都) 防火地域の3階建てCLTログハウス(東京都) TOPICS 3 日本初となる防火地域での
    3階建てCLTログハウスなど
    特建事業で手掛けた木造施設が
    続々完成
    防火地域の3階建てCLTログハウス(東京都)
    防火地域の3階建てCLTログハウス(東京都)

     特建事業で手掛けた法人向けの木造施設建築が続々完成しています。
    2024年1月、オフィス兼共同住宅の3階建てCLTログハウスが完成。従来、木材現わしのログハウスは、防火地域では2階までしか建築ができませんでしたが、2023年2月に「90分準耐火構造認定」を取得することで、日本初の防火地域での3階建てCLTログハウス建築が実現しました。

    地域交流スペースを兼ねた CLTログハウスの保育・子育て支援施設(富山県) 地域交流スペースを兼ねた
    CLTログハウスの保育・子育て支援施設(富山県)

     2024年6月には、地域の交流スペースやリモートワーク設備を兼ね備えた保育・子育て支援施設が完成。社会福祉法人として地域社会に貢献するという事業主の理念に基づき、木に囲まれたログハウスで遊ぶ子供たちや地域の方との交流を生む、地域交流スペースを兼ね備えた施設となっています。
     特建事業では、ログハウスをはじめとした木造住宅・建築で培った技術とセンスで、各法人のニーズに合わせた施設建築を提案しています。脱炭素社会やSDGsにもつながる木造への関心の高まりも追い風に、法人向けの事業も積極的に推進していきます。

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