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感性マーケティングの本質回帰BESSは  “オアシス業” へ



 2024年3月期は、改めてアールシーコア、BESSらしさに立ち戻り、本来の道を進む意志を示すことが、再建のための戦略であるとの認識のもと、「原点回帰」を掲げてスタートを切りました。帰るべき原点、それはとりも直さず、本質(変わらないもの)です。
 コロナ禍以前、BESSには集客力があり、「売り込む必要はない、面白がってくれる人たちに来ていただければいい」との考えでいました。しかし、コロナ禍による集客減、続いて起こったウッドショック(木材原価高騰)等の災禍下では、これまでの強みが弱みに一転してしまいました。その状況下、自分たちの本質から少しズレた対応策で自らの首を絞めてしまった反省があります。私たちが守ってきた本質、BESSというブランドは、家が単なるモノとしての存在ではなく、創業以来、感性マーケティング、いわば心を動かすマーケティングにより、築いてきたブランドです。その原点、本質が改めて重要だとの想いが今あります。
 創業時のブランドメッセージは「心を遊ばせてください」と住宅事業者らしからぬものでした。住宅は資産であるとの捉え方が一般的な中で、本来、家は持つことに価値があるのではなく、暮らしを目的とし、その手段として家があるのであり、ソフトはあくまで「暮らし方」であって、「家は道具」だと言い切ったわけです。同時に「知識こそソフトだ」と言われていた時代、「知識はハードである、そのうち辞典が話し出す日が来るのだから」とも言いました。
 資本主義による経済発展によって、便利で合理性が高く、物質的な豊かさは確かに享受できるようになりましたが、必ずしも幸福の広がりと連動していません。物質も情報も飽和し、複雑化した今、時代に流され、知識というハードにコントロールされ、自分のしたいことが何か分からない、意思の見えない、まさに情報流民とも呼ぶべき人たちが増えています。自然な笑顔が減り、無意識にでも心の寂しさや窮屈さを感じている人たちが大勢いる、倫理観の廃れが目立ち、真っ当な価値観を持つ人間にとっては世知辛い世の中になっているとも思うわけです。



情報流民時代の“心の渇き”に“オアシス”を提供したい


 このような時代、いわば“心の渇き”を無意識にでも感じている人たちに対して、BESSは、“心のオアシス”を提供できるのではないか、それを提供していきたいと考えました。その発想の背景にあったのは、LOGWAYに来場した人の笑顔や、LOGWAYコーチャーの存在です。
 人は親切にされるだけでなく、本来、親切にすることも好きであり、本心ではそうした行動をしたがっています。LOGWAYコーチャーは、BESSの家に暮らす先輩たちに「BESSの家での暮らしをLOGWAYに来場される皆さんに伝えてもらいたい」という発想を現実化した制度ですが、ある時、コーチャーの方々から「よくぞ、私たちの心がわかってくれた」と言われました。「人に親切にすることがちょっと嫌味になった時代、ここなら堂々とできる」と。気持ちの通じ合う人同士の集まりでは、助け合うことがしやすくなる、BESSはその場を提供したというのです。そこで親切にされた方がBESSの家に暮らすようになったら、また他の人を助ける役割を担っていくかもしれない、その連動が、私にはまさに“オアシス”のように感じられました。
 誰にもある自分の心を解放する、自ら何かに気づいて起こす行動は、その中に身をおくことで自然に出てくるもので、それができるに相応しい場、環境が必要だということです。そういう意味では、“オアシス”という言葉を思いついたのは、BESSファンに囲まれたからではないかと思っています。
 この“心のオアシス”を、BESSは、LOGWAYという場だけでなく、BESSの商品という形でも提供することを目指していきます。10月に発売した新商品、三角WONDER「間貫まぬけのハコ」も、その一つです。どこか窮屈さを感じる世の中において、あえて「マ(間)」や「ヌケ(抜け・貫け)」を取り入れた商品へ、この命名ができたのも感性マーケティングのBESSだからこそではないでしょうか。また、心地よく暮らすためのマナーをBESS流に整理した「梺六範ふもとろっぱん」もBESSの感性を表現したものです。先にお話しした「家は道具」などのコンセプトも含めて、感性を核とするBESSは個性ブランドであり、他に埋もれることのないブランドだと自負しています。
 マーケットを作りながら広げていく、メイクマーケットがBESS本来の変わらぬ使命だと心得ています。これまで、BESSの家のユーザーとも、楽しい暮らしのための「使い手」と「造り手」という役割分担による“コラボレーション”で、感性市場を広げてきましたが、外に目を向けてみると、業種・業態は違えど、様々な角度からBESSの価値観を面白がってくれる方たちがいることを自覚することとなりました。私たちの本質的な強み、感性マーケティングは、情報過多社会の中でむしろ流されにくいと気づいた今、これから先は自信をもって、BESSに関心を持たれている方たちと一緒に事を起こし、仲間を増やしながら、今まで以上に感性市場を、住産業という枠を超えて広げていこうとの想いに至り、その宣言として、“オアシス業”と表することとしました。敢えて“業”とつけたのは、「ここにオアシスがあるからおいでよ」という建付けではなく、BESSが触媒として入ることにより、お互いの業の効果を高め合い、互いに役立つようなコラボレーションをビジネスという形にしていきたいと考えたからです。感性マーケティングを続けてきたBESSだからこそ相乗効果が出せるはずです。



株主の皆様へのメッセージ


 当上期の業績は、売上総利益率がウッドショック前の水準にほぼ戻り、固定費削減も進捗したことで営業黒字を確保しました。新規来場数は前年同期比122%と引き続き伸長し、受注も上向きにあるものの(契約棟数は前年同期比157%、契約高は同112%)、期初の目論見より遅れたため、契約残高が前期末比82%に減少し、通期の営業利益予想を大きく下方修正することとなりました。
 下期も「原点回帰」のもと、感性マーケティングや農耕型営業など、BESS本来の道を力強く前進していきます。また、 “オアシス”を具現化した新商品、三角WONDER「間貫けのハコ」の販売を契機としたブランドプロモーションの開始、主力商品シリーズの期間限定特別モデル投入などを通じて、商品ラインナップの価格帯を広げながら、本回復に向けての取り組みを強化していきます。そうしてBESSは、商品やLOGWAYを通じて、BESSファンとともに、心の中にあるオアシスをシンクロさせながら、コラボレーションによって互いの力を発揮し合い、まずは本回復を成し遂げ、さらに加速して新たな価値創造にもチャレンジしていきます。
 当社としてオアシス業を掲げるに当たり、理念や本質を貫きながらも時代の流れを捉えた具体的なビジネスを形にしていく仕事は後進に任せ、私自身は創業者として大所高所の視点からサポートする立場へ、来年6月に代わることとしました。それによって、ビジネスの現実化をより加速させ、業績にも弾みがついてくるものと捉えています。
 これからは勢いをつけて、本来の形に戻っていこうと、今まで以上に社内一丸で、我々の描く方向へ力強く歩んでいこうと思います。株主の皆様におかれましても引き続きBESSの価値観を面白がっていただき、変わらぬご支援を賜りますようお願い申しあげます。

2023年11月
株式会社アールシーコア

代表取締役社長 二木浩三

梺(ふもと)六範(ろっぱん)

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