この2024年6月、当社初の社長交代を実施し、代表取締役社長に就任いたしました。創業精神はしっかり継承し、BESSブランドを外に広く伝えながら価値をさらに高め、皆さまの期待に応えてまいりたいと思います。
2025年3月期の上半期は、“オアシス業”の牽引役として事業拡大を目指す法人向け事業が堅調に推移し、契約高は前期比125%に伸長したものの、新築戸建事業が想定に届かず、計画に対して未達となりました。
これを受け、下期売上が期首計画を下回る見込みとなり、通期業績を赤字予想へと修正しました。営業効率(一人あたり契約棟数)は回復傾向にあるもののコロナ禍前の水準には至らず、拠点数・ホームナビゲーター(営業)数も減少しており、体制不足の影響が大きいと認識しています。
しかしながら、契約高は前々期、契約残高は前期を底に回復基調にあり、売上高は今期を底に上向きに転じる見通しです。また、2022年3月期から継続してきた販管費削減の効果に加え、木材価格の落ち着きもあり、売上総利益率は回復、損益分岐点の低下により赤字幅も縮小し、利益体質は改善の途にあります。
新築戸建の再成長に必要な鍵は、LOGWAY拠点の体制整備と商品力強化が握ると考えています。採用難と言われる今こそ、BESSの事業が魅力的であり続け、その魅力が届くように発信することが必要です。これはブランド力につながる話でもあり、明確な区別化ができなければ、採用もままなりません。
一方で、一度離れた人材が戻ってくる傾向が強いのも特徴です。BESSに思い入れのあるお客様との対話、ユーザーたちの楽しい暮らしぶりを間近で感じる、ほかでは得られない経験の積み重ねの中で培われていた自信や誇りを思い出し、BESSを選び直す決断をするスタッフもいます。そうしたプライドを再認識し、復帰しようと決心するアルムナイ採用(再雇用)を積極化するとともに、採用チャネルの拡充、拠点ごとに異なる課題対応力を高めるための本部サポートの充実などを通じて、営業体制の再整備を進めます。
また、複数のモデル棟が建つLOGWAY内で世界観を演出し、LOGWAYのキャッチコピー「未来はここ」を実際に体感してもらうあり方を重視しつつ、LOGWAY敷地外にモデル棟をサテライト展開する取り組みを昨年より強めました。実際、新商品が本格的に動き出すのは実物が見えるようになってからであり、より早く見える形にすることは何より重要です。この施策もあり、年内には全国10カ所以上に「間貫けのハコ」が建つ予定で、販売加速への起爆剤になるものと期待しています。
一生のうちに何度も購入しない家は、顧客の一大決心を必要とし、様々な迷いの中での決断になります。その際、「憧れ」を自分自身に実現し、ありきたりではない自分らしさの表現を具現化すること、そうした満足を得られるという確信の支えとなるもの、それこそが、その人にとってのブランド価値であると思っています。確かにBESSのあり方は、世の中で少し抜き出た存在かもしれません。しかし、たくさんの情報にたやすく触れられる時代、商品はもちろん、見せ方も、マーケティングの手法も真似され、一般化し、埋没していく、それがブランドというものの宿命であることをよく認識した上で、より違う次元に突き進んでいく覚悟が必要です。
これまで以上に個性を際立たせ、「憧れ」を作り続け、高め続ける、その意識を持って商品力とマーケティング力をさらに練り上げていくこと、それがこれからのBESSにとって非常に重要と捉えています。
商品力については、2023年10月に発売した「
これは逆説的な言い方になりますが、BESSは「家」を〈「住む」より「楽しむ」〉ための装置として、それ自体非常にシンプルな「箱」を提供しているだけで、いつでも暮らす人たちが主役です。先輩ユーザーとしてBESSの暮らしのリアルを伝えるLOGWAYコーチャーをはじめ、すでに2万組以上のユーザーが、2万通り以上の暮らし方、自己表現を実践しており、その暮らしぶりが何よりの説得力となり、「憧れ」を誘引しています。現場はそうした「憧れ」の熱を冷ますことなく、さらに感動を高めていく活動を、本部は今まで以上にブランドの質を上げていく活動を、と役割分担をしている中で、これまでに見たことのないような「なんだこれは!さすがBESSだ!やってくれたな!」と受け止められるものを本部は創り出さなければなりません。自ら現状を超えるものを生み出していくチャレンジ精神なくして、これまで培ってきた「憧れ」は失われてしまいます。
どれほど素晴らしい価値でも日常に埋もれると想いが薄れることは多々あるため、そうした意味でも外部の人と触れ、自らを客観視する機会はとても重要です。私自身、ここ2〜3年はそうした機会が増え、「BESSはどんなイメージを持たれているか」に新たな気づき、発見を得ただけでなく、「どれだけ愛されているか」を実感し、自信にもつながりました。自らの取り組み、姿勢のあり方が世の中を通して自分にフィードバックされる、そのプロセスの中で自信が養われ、さらに期待に応えていきたいという情熱に変わっていく、それが「『内向き』から『外向き』への事業戦略の転換」の本質的な狙いだと捉えています。
これまで外を気にすることなく、独自の道、本質を追求し続けてきたからこそ、ブランドを守り育てることができたのは確かです。しかし、この先はクリエイティブ集団として、その質を高め続けるためにも、外に目を向け、自らの立ち位置をしっかり捉え、他者の知恵も借りながら、育った大木に枝葉をつけていく段階に踏み込む時期です。それは、真似をするため、流行りに合わせるためではなく、改めて「メイク・マーケット」の精神を貫く気概を高めるためです。
長らくBESSブランド発信の総本山であった代官山MAGMAを2025年3月に閉じます。それは、他の地に総本山を移すということではなく、ブランド発信のあり方そのものを変える新しいやり方を企てています。これまでBESSとの親和性の高い紙媒体を中心に重ねてきた出逢いをWeb展開にアレンジするだけでなく、メディアの領域を広く捉え直し、親和性の高い人たちが集う外の場に接点を作り、認知を高めていく取り組みを始めます。これまで届かなかった人たちへのアプローチの道を拓き、これまでとは違った形で「憧れ」に昇華させる機会の創出です。BESSの認知度向上、LOGWAYへの誘引装置としての役割のほか、新築戸建て以外の地方自治体や企業とのコラボレーション等、私たちが取り組んでいるすべてのことが広く伝わっていく二次的発信を誘発する仕掛けとしての役割も果たすようになると見ています。
法人向け事業は順調に契約が進捗し、そのポテンシャルの大きさから、この10月には契約対応力を高める体制へと部門を強化しました。
好調の背景には、社会課題解決に向けた地球規模の取り組みが進む中、BESSの姿勢が社会的な価値発信の伝わりやすさになり得ているものと捉えています。さらに行政の補助対象となるケースも増えており、環境が整ってきたとの感触もあります。CLTログ住宅、保育園や幼稚園、診療所、研修施設等への活用希望が多く、今後は、要望いただくことの多いリゾートや賃貸住宅向けに企画型商品を開発する予定です。また、梺開発に関する行政からのお問合せ、海外展開の案件なども具体化しつつあり、“心のオアシス”の拡大に確かな手応えを感じています。
今期も赤字への下方修正、無配の見通しとなり申し訳なくお詫びいたします。回復の進捗は遅れていますが、ようやく底は見え、次期に向けては上向きと捉えています。様々なところで出会うBESSファンの存在が示すようにBESSのポテンシャルは充分にあります。大きな転換期を迎えた第二創業期、原点回帰の本質「メイク・マーケット」の精神のもと、スピード感を持って、さらなる存在感、ブランド力を向上させつつ、まずは「BESS復活の狼煙、オアシス」をスローガンに契約伸長に注力していきます。引き続き変わらぬご支援を賜りますようお願い申しあげます。
BESSは、2024年4月に、BESSの中古住宅を仲介・販売する「歳時住宅」事業の全国展開を始めました。これは、約40年かけて積み重ねてきたBESSの「経年愉化」のコンセプトを受け継ぎ、活かし、新たなBESSユーザーを広げる。BESSならではのメイク・マーケットのチャレンジです。
家は、経年劣化していくもの… そんな一般的な考え方と、 BESSの家は違います。 時間だけが創り出せる 人、物、思い出たちの深み、風合い。 家族の時間を積み重ねるほど、 未来まで愉しめる家になる。 そんなBESSの家のコンセプト 「経年愉化」を実現する 背景を紐解きます。 |
BESSの家は、一般住宅の3倍以上の木材を使用しているログハウスをはじめ、どの商品も無垢材をふんだんに使用しています。無垢の木材は、年々落ち着いた飴色に変化し、味わいが増してきます。キズすらも味に変えてしまう柔らかな素材。風雨に晒される場所は塗装などのメンテナンスが必要ですが、手をかけることで愛着も増し、無垢材ならではの趣が生まれてきます。また、木は伐採後ゆるやかに強度が増し、100年かけて育った木は、伐採後100年後に最も強度が出てくると言われています。BESSの家は、適切に手入れすることで長持ちする木の家です。 |
BESSの家のデザインの基本は、「ベーシックで個性的」であること。独りよがりでなく、周囲の環境と調和するように。一代限りでなく、長く受け継がれるように。だから外観デザインは歳月を経ても飽きがこないよう、ベーシックです。また間取りも、家族構成や、時には住む人が変わったとしても、暮らしを自由にカスタマイズしやすいように、シンプルにしています。BESSの家は、住む人の個性が生きる、長持ちするスタンダードなデザインの建物です。 |
BESSの家に、安心して長く住んでいただくために、BESSではさまざまなサポートシステムを用意しています。引き渡し後10年までに計5回の無償定期診断を実施。10年以降も、定期診断・メンテナンス・保証をセットにしたパッケージを用意しています。また、定期メンテナンスを実施することで、最長60年の構造躯体・防水に関わる保証も実現。さらに、定期診断やメンテナンス履歴、ご自身のお手入れ記録などを一元管理する「我が家のカルテ」という仕組みも整えています。 |
BESSの家は、経年愉化のコンセプトのもと、長持ちする家です。そして、今日よりも明日、10年後よりも30年後…歳月を経なければ出ない価値をもつ「歳時住宅」です。 現在、2万2千棟を超えるBESSの家が全国に建っていますが、創業から約40年経ち、何らかの事情で家を手放すことになった方もいます。大切にメンテナンス・手入れされてきた家を、経年の味わいも含めて独自の査定システムで評価し、その価値の分かる方に引き継ぐことができるのが、BESSの中古住宅販売・仲介「歳時住宅」事業です。定期診断やメンテナンス履歴もしっかりと一元管理されているBESSならではのサービスです。 BESSには、「住宅は社会のインフラ」という考え方があります。全国に2万2千棟を超えるBESSの家が建っていますが、BESSファンからBESSファンへ受け継ぐ「歳時住宅」事業を通じ、楽しい暮らしを広げるだけでなく、住宅の持続可能性も具現化していきます。 |
世の中では、新築時の価値が一番高く、年々価値が減っていく資産価値という考え方が一般的です。もちろんそういう考え方もありますが、家はとことん使ってこそ価値があり、住む人といっしょに年を重ねてこそ価値が上がるというのがBESSの考え。どれだけ暮らしを楽しんだかで決まる「活用価値」を大事にしています。 BESSユーザーの皆さんが、これを見事に体現してくださっています。22年暮らされたBESSユーザーのコメント。 「この22年間、夢の世界にいるようでした。家が大好きで、庭が大好きで、いまでもワクワクしながら暮らしています。」「できることなら、手入れしてきたこの家の100年後、200年後を見てみたい。1年よりも100年、200年たったログハウスが好きです。」 |
歳時住宅事業では、BESSのコンセプト「経年愉化」をベースに、建物だけでなく、暮らされてきた方の思いも引き継ぎながら、BESSユーザーを広げていきます。 経年愉化ページ |
2024年春から秋冬にかけての様々な取り組み、活動を紹介します。
BESSでは、主力商品「ワンダーデバイス」の発売20周年を記念して、2024年4月から、「WONDERフェスタ」を開催しています。この秋冬は、BESSに欠かせない“火のある暮らし“をテーマに、フェスタを盛り上げます。全国のLOGWAYでは、薪ストーブや焚火など、火のある暮らしを体感できます。薪をくべたり、薪ストーブ料理を味わったり、火起こしに挑戦したり、ゆらめく炎を眺めてぼーっと過ごしたり…。
また、未来に向けて暮らしの夢へ一歩踏み出す人を応援する「WONDER未来人」募集企画も実施します。WONDERのライフタイルに共感する、WONDERの暮らしを楽しみたいと登録された方に、BESSの暮らしに似合うユニバーサルティーポットをプレゼントします。
フェスタは、2025年3月末日まで。フェスタ期間限定で、LOGシリーズから2つの特別モデルが登場。カントリーログと栖ログの暮らしの選択肢が増えます。加えて、特別モデルに限らず、期間中にBESSの家をご成約いただいた方には、BESSガジェットや薪ストーブ本体に使えるBESSポイントをプレゼントします。
BESSはこの秋冬、WONDERフェスタ「こころに火」で、さらに盛り上げていきます。
BESSの平小屋「栖ログ」は発売以来2年間で受注棟数が累計130棟を超えました。鳥のように自由な暮らしを想像し、小さいからこそ本質で生きられる。小屋なのに本物のログゆえの贅沢な特別感がある商品です。2024年10月、そんな栖ログをバージョンアップした、より自由な特別モデルが登場。栖ログ本来のログの大らかさや本格仕様はそのままに、奥行きを広げ、天井を高くした、よりゆとりある空間になりました。空中廊下と階段で全体がつながり、ラクラク移動でき、小屋裏や潜望窓など、そこここに遊び心のある、ワクワクするモデルです。平屋と小屋とログを掛け合わせた新しいジャンルで、マーケットを開拓していきます。
BESSでは、別荘オーナーが長く別荘を所有し続けられるように、自身が使用しない期間を顧客所有のままレンタルで貸出しする「別荘レンタル事業」を、別荘サブスクリプションサービス「OURoom」を展開するスタートアップ企業のわづくる株式会社と共同で開発、サービスをスタートしました。
個人所有の別荘では、ライフスタイルの変化で利用頻度が減り、維持管理に負担を感じている方が多いという課題がありますが、当サービスの利用により、個人利用に加え、レンタルでの収益により、維持費の負担が軽減されます。また、貸出し利用に伴い、風通しや清掃が入ることで良い状態を維持することにつながります。
BESSの家は、創業39年で累計2万2千棟を超え、海や山、自然豊かなロケーションに、非日常感たっぷりのログハウス物件が数多く建っています。物件の供給と貸出しのためのメンテナンス・商品づくりはBESSが行い、宣伝・物件の運用はわづくる株式会社が行うことで、それぞれの強みを合わせた、提携メリットが生まれます。
本別荘レンタル事業は、BESSの中古住宅を仲介・販売する「歳時住宅事業」の一環として、別荘に“手放す”以外の選択肢を提供して長く使い続けられるようにする仕組みで、BESSユーザーには、これまで以上に長く別荘ライフを楽しんでいただくためのサポートとなります。
BESSでは、互いの強みを活かせる提携先との取り組みによるメイク・マーケットを積極的に進めていきます。